特別展 長谷川等伯



高校からの友人、susieちゃんとデート。上野で等伯を観てまいりました。
ニュースを見て覚悟はしておりましたが、この日も大行列。入場制限をしておりまして90分待ちとのこと。数百人が静かに並ぶ姿は、従順な羊の群れのよう。話の合う旧友と楽しく語らえば、90分などあっとい間。飲み物と椅子と日よけのパラソルがあればなお良しではございましたが。
さて、等伯の作品、考えておりました以上の素晴らしさでした。初期の仏画などの作品を見ましても、構図の上手さ、表現の巧みさ、色の美しさ、など圧倒的な才能を感じます。
そして、テレビで観ておりましても今ひとつその凄さが理解できずにおりました、『松林図屏風』。印刷物や映像では到底伝えることのできない素晴らしさを持った作品でした。
被り付きでは見えてこないのですが、少しずつ絵から離れて行きますとある瞬間、ふっと絵に奥行きが。そう、それはステレオグラムが立体に見える瞬間に似ております。 松林は深い霧に包まれ、たっぷりと湿度を含んだ空気の中、少しくぐもった鳥の囀りが聞こえてくるかのよう。
その後東京国立博物館内のカフェで一息ついた後、開放されておりました庭園を散策。銀座へ移動いたしまして、2時間20分かけてイタリアンのディナー。山野楽器で閉店まで更に語らい、それでも名残惜しくて和光の前で立ち話。楽しい1日でございました。
混雑している展示は極力観に行かないことにしておりますので、一人でしたらおそらく見送っていた展示。susieちゃん、誘ってくれてありがとう。