ルドゥーテ展



バラの宮廷画家、ルドゥーテ展。マリー=アントワネットの花の絵の先生であり、蒐集室付素描画家。そしてフランス革命後はナポレオンの妃ジョゼフィーヌに雇われマルメゾンの館に咲く、世界中から集められた選りすぐりの植物を描き続けた植物画家、ピエール=ジョゼフ・ルドゥーテ(1759-1840)。ほのかにバラの香りの漂う会場。うっとりと見とれてしまうほど美しい花達。素敵な一時でした。

水彩の作品も数点ありましたが、ほとんどがスティップル・エングレーヴィン[stipple engraving] 点刻彫版法という手法で描かれたもの。点の集合で陰影を表現する技法で、非常に高度な技術と労力を要する銅版画ですが、それによって銅版画特有の硬い輪郭線を排除し、植物の自然な姿を表現できるとか。ルドゥーテの作品は、その無数の点を刻んだ銅版で多色刷りされ、更に、手彩色で仕上げるという、たいへんな手間をかけて制作されたものなのだそうです。

「ボタニカル・アートに絵心はいらないそうですよ」というお話も伺ったのですが、やはりルドゥーテのバラは、誰にも真似の出来ない「ルドゥーテのバラ」ですね。



Charles Rennie Mackintosh

持ち込み禁止



会場に入ります時に、私は知人にプレゼントしていただいたイングリッシュ・ローズの花束を手にしておりました。すると係員の方がその花束を見て「こちらは生花でしょうか?申し訳ございませんが、生花は会場には持ち込めない事になっておりまして。受付にお預けいただけますでしょうか」と。そうなのですか。何故?と思いながらも、その花束を手荷物と共にロッカーに預けました。

会場で美しい花の絵を観ながらも、時折「どうして生花は持ち込めないのかしら」「花が病気かもしれないから?まさか絵のバラに病気が移ったり、虫が絵のあまりの精密さに本物と間違えて絵に付いてしまうとでも?」「それとも、香りが邪魔?」などとあれこれ考えてしまうものですから、思い切って係員の方に伺ってみる事にいたしました。その答えは、と申しますと「今回は全ての絵がガラス付きのケースに入っておりますが、そうではない状態で展示される事もございまして。まずそういった事はないかとは思うのですが、花粉などが飛び、絵を傷めてしまう可能性もございますので、美術館内への生花の持ち込みはご遠慮いただいております」とのお話でした。なるほど。

※こちらも、この日知人にいただいた「Charles Rennie Mackintosh チャールズ・レニー・マッキントッシュ


テニスラケットと生筋子



吉池というたいへん充実した品揃えの魚屋さんがございます。先日、母がこの吉池で生筋子を買ってまいりました。これからの季節、生筋子を醤油漬けにしたものをあつあつのご飯でいただく・・・お口の幸せです。この筋子をばらばらにするのがなかなか難しくて、塩水の中でそっと解す、ざっとお湯をかけてしまう、など毎回色々試行錯誤をしております。で、今回母が驚くべき事を話してくれまして「吉池でね、テニスラケットを使うと簡単に生筋子がばらばらになります、って書いてあったわよ」ですって!

えぇー、テニスラケットですか。確かに上手に解せそうではありますが、ラケットは大丈夫なのでしょうか?あまり、いえ、ぜんぜん、大丈夫ではないように思うのですが。試してみたいのですが、残念ながら私は今テニスラケットを持っておりません。どなたかお持ちの方で、試してみてもいい、とおっしゃる方。いらっしゃいましたら是非お試しになられて、その結果を教えていただけませんでしょうか?いくらをほぐすにはこれが一番、などというラケットがあるかもしれません、ね。