お礼状



ピアニスト2が無事にドイツに戻ったと連絡が入った一昨日のこと。支援をしてくださるという財団の方からピアニストのお母様に「今日、お会いできないか」との電話が入ったとのこと。なんとも急なお話。「不安なので、emimiさん、ご一緒していただけませんか」とすぐに連絡がきたのですが、どうしてもの予定があり同行できず。お母様一人で行っていたくことに。
で昨日、お母様に様子を伺ったところ、具体的な話が出たわけではなく、まずは来年春のコンサートの概要が決まったら資料を見せてほしい、とのこと。なぜピアニストを気に入って支援をしようと思ったかというと、演奏はもちろん良かったが、丁寧なお礼状がとても嬉しかったとのお話。「普通、音楽家というのはここまできちんと丁寧なお礼状を出したりはしませんよ。たいしたものです。」と褒めてくださっていたとのこと。
とにかく、このピアニストへのアドバイスとして、コンサートを聴きにきて下さった方々へのお礼状出しについてだけは、最初からしつこく言っていたのです。私だけではなく、支援プログラムのプロデューサー氏もまったく同じことを彼女に。素直でまめな子ですので、コンサートが終わって疲れたその夜から、サンクスメール、もしくははがき、封書で、来て下さった方、名刺をいただいた方全員に、お礼状を出す、という作業ををしていたのです。
すでに著名な演奏家でも、丁寧に手書きでお礼状を書いていたり、また、支援して下さる方と直接お会いをしてお食事をしたり、という話を聞いて驚くことがままあるのですが、それを続けてきたからこと、今の彼らがあるのだと。例えば、揺ぎ無い評価、実力があればそのような必要はないのかもしれません。演奏に磨きをかけることに費やすべきですよね、時間を。でも、この業界で仕事をしておりまして感じましたのは、ショパンコンクールで一位でも取ったのでもない限り、仕事を続けていくには、観客、評論家など、やはり応援して下さる方々が絶対に必要、だと思うのです。
これからコンサートの規模が大きくなり、回数も増えると、この作業はますます大変になるでしょうが、この、「きちんと丁寧なお礼状」、は続けていってほしいです。