闘牛



昨夜、ベッドに入り消灯いたしましてからの娘との会話。

私:今日ね、楽屋で面白い小咄聞いちゃった。
娘:もう眠いです。
私:えぇ、聞いてほしいわぁ。
娘:はいはい、どうぞ。
私:あのね、ある男の人がスペインの闘牛場の近くのレストランに入ったんですって。で、隣のテーブルの人が大きくて柔らかそうな肉の塊を食べているのを見て、同じものを注文したら「今日はもう売り切れたから、次の闘牛が開催される日にまた来い」って店員に言われたんですって。それでその男の人は次の闘牛開催日に嬉々としてレストランへ行って「この前のあれを頼む」と注文したんだけど、出てきた肉がずいぶん小振り。で、「なんだ、この前のよりずいぶん小さいじゃないか」と文句を言うと、店員が「この前のは牛の睾丸。お客さんね、闘牛というのは必ずしも牛が負けるとは限らないんですよ」って。
娘:(……)
私:わかる?
娘:わからない。
私:ええー、わからないの?闘牛っていうのは、牛と何が闘うのよ?
娘:牛と…牛?
私:ぶはっ。牛と牛が角突き合わせて、がしっと?わはは。じゃあ、カルメンエスカミーリョの職業はなに?
娘:闘牛士。ああ、牛と人が闘うんだっけ。
私:でしょ。で、さっきの咄はわかった?
娘:わかった…眠い。はい、おやすみ。