目から鱗



知人よりご招待をいただき、紀尾井ホールへ。演目はメンデルスゾーン作曲のオラトリオ『パウロ』。とても美しいオラトリオでした。
キリスト教徒を迫害する立場であったサウロ=後に改名してパウロが、回心してからはどのような迫害にも困難にも信念を変えることなく、死を覚悟してエルサレムにのぼるため船出する。オラトリオで語られる物語はここまで。
この後、パウロは、ローマでペテロとともに殉教。この時の皇帝はネロ。ユダヤ律法の徒であったサウロが使命を全うして殉教し、キリストの大使徒、大伝道師『聖パウロ』となるのです。ペテロ殉教の地、バチカンの丘には聖ペテロ大聖堂が、パウロ殉教の地にはトレ・フォンターネ(三つの泉)の教会が建てられているとのこと。
目から鱗が落ちた」という言葉は、キリスト教徒を迫害するためにダマスコに向かうサウロが、突然光に打たれ、地に打ち倒され、「なぜわたしを迫害するのか」という主の声を聞き、目が見えなくなってしまうが、キリストの弟子アナニアによって、まるで「目から鱗が落ちた」ように再び見えるようになり、洗礼を受けた、という回心の出来事から来ているのだそうです。