海の上のピアニスト2



ピアニスト2の船のイベント立会い。
ランチクルーズからの仕事なのですが、リハーサルの為10時半には乗船。おーっとっと、と近くの柱で体を支えるぐらい揺れることがございまして、あまり乗り物に強くないピアニストは、「うわ、もうダメそう…。鍵盤をじっと見ていると余計だめですね」、と。2人で酔い止めの薬は飲んだものの、これから1日3ステージ、大丈夫でしょうか。船のスタッフの方に「この船は、動き始めるともっと揺れるものですか?」と訊ねますと、「いえ、出航してからの方が揺れません。かえって着岸している時の方が揺れます」、とのこと。
今回のイベントは、ある大きなお花屋さんと豪華客船のコラボレーションイベントでして、美しく季節のお花がアレンジされた船内で優雅にフランス料理やシャンパンを楽しみ、デザートの時間に、ミニコンサート。最後の曲に合わせて、フラワーデザイナーが花束を作るパフォーマンスをする、というもの。
花束の完成が、曲の終わりにぴったり合うかどうかが大きなポイントだったのですが、さすがそこはプロフェッショナル。ランチ、サンセット、ディナー、3ステージともまさにぴったりのタイミングで完成。しかも、この花束の美しく見事なこと。まず1本のバラを中心に、スパイラルに組んでいくのだそうですが、茎の部分はとても片手で掴める量ではなくなっていくため、花束が大きくなっていくにつれ円周の一部分しか持つことができなくなっていくのだそうです。よって、この組み方が少しでもずれるとばらばらっと崩れてしまうとのこと。その仕上がりの美しさとともに、芸術的とも言うべきプロの技を見せていただきました。
ピアニスト2も、ずっと船に積まれたままのピアノ、湿度を含んだ潮風、肩を直撃するエアコン、天井の低さと音を吸う絨毯、揺れ、そしてディナークルーズでは雷、というたいへん過酷な状況ながら、無事にぱっちりと仕事をこなし、よく頑張りました。
途中、桟橋近くのホテルへお茶に出かけたものの、ほぼ1日船で過ごした1日。空き時間には、強い海風に吹かれながら、デッキから東京湾の景色を堪能。酔い止めが効きすぎまして、ピアニスト2と2人で一時期気を失うぐらいの睡魔に襲われたものの、薬の効果は覿面。下船いたしました夜の10時まで、ずっと気分が悪くなることもなく過ごすことができ、良かったです。
※画像は花束になるのを待つ美しいお花たち。