小袖 江戸のオートクチュール



サントリー美術館で開催中の、『小袖』を見てまいりました。
松坂屋京都染色参考館の名品、と副題が付いておりまして、「呉服意匠創出のために収集した染色資料から、江戸時代初期より後期までを網羅する内容の小袖と、意匠の変遷を辿る上で重要な資料となる雛形本をはじめ、多彩なコレクションの一端を示す能装束や調度品など約300件をご覧いただきます。」とのこと。
千姫縁の豪奢な小袖から、婚礼の支度、大人用をそのまま小さくしたかのような、おませな柄行の子供用の小袖、などなど。今で言えばファッション雑誌であった雛形本と、その中のデザインを元に注文され、実際に作られた小袖が並べて展示されておりましたり、その雛形本の、大胆、斬新、豪華なデザインが、幕府の倹約令によってどんどん地味になっていく様子など、たいへん興味深い内容の展示。作品保護のため、展示替えがあるそうなのですが、リストを見ますと、三期に分けまして、ほとんど総取替え。これは、あと2度は足を運びませんと。
サントリー美術館。今回もまた、日本人の美的センスというのは世界に誇ることができるじゃないの、と誇りに思わせてくれる、美しい美しい展示です。