汗、紫煙、香水



フラメンコの公演の手伝い。スペインから来日中の、若手男性フラメンコダンサー達が、まあ見惚れるほど素敵。顔は小さく、引き締まった身体になめし革のような肌。
なんでも、ファンはその飛び散る汗が顔や身体にかかるのが幸せなのだとか。ダンサーも心得たもので、舞台に出る直前に洗面所でじゃーっと水を浴び、滴る身体で舞台へ飛び出し、ぶるっと水を撒き散らすのだそうですよ。うーん、確かに見ていてその姿を美しいとは思いますが、汗を浴びるのは私はちょっと遠慮したいです。
先日、道を歩いておりまして歩き煙草の煙を思い切り胸に吸い込んでしまい、思わず眉間に皺が。煙草の煙というのは、好ましいと思っている人の吐き出す煙と、そうではない煙とでは苦しさが全く違うもの。赤坂通り歩き煙草率は非常に高く、それらは当然好意を持っているわけではない、見知らぬ人たちですから、たいへん苦しい思いをしながら歩くことしばしば。
非喫煙者の煙草の煙に対する不快感というのは、喫煙者にはなかなか理解していただけないようですが、感覚的に近い、と思うものをこの前思いつきました。エレベーターの中で一緒になった外国人の女性の香水。息ができないほどの、むせ返るような香り。これを胸いっぱいに吸い込んでしまった時の感覚に近いのではないかしらと。例えば、お寿司屋さんや和食屋さんで、隣の席の香水の匂いが気になってしまったら、不快に感じますよね。
でも、歩き煙草の煙に、強い香水に、眉間に皺を寄せる私も、相手のことが好きな場合にはどちらも許せてしまう。人の感覚というのは勝手なものです。