ちりめん細工 1



伊豆、稲取で雛のつるし飾りを見て、自分で作ってみたいと言い出しました母。
本を一冊買えば、なんと作れそうではあるけれども、基本はやはりきちんと学んだ方がいいのではないかと。現在、母の方が労働時間が長くて多忙なのと、実家近くには教室が見つからなかったということもあり、私が代理で受講をし、学んだ技術を母に伝えることに。
今月から一月に一回、3回コースで「ちりめん細工」を学ぶことになりました。今日はその初日。先生は兵庫県姫路にございます、日本玩具博物館の講師の方。ちりめん細工と申しましても色々あるのですが、日本玩具博物館の先生方が教えてくださるのはこのような作品。1クラス8人の教室。参加してびっくりいたしましたのが、私以外全員が、ちりめん細工の経験者。いやはや、皆さん手順がわかっているので、早いこと。すっかり落ちこぼれ。今日はもう付いていくのがやっとでした。
ちりめん細工というのは、まあ言ってしまえばお裁縫ができれば誰でもできるもの。例えば、お祖母さんが孫に裁縫の基本を教えながら作る、というのがあるべき姿なのではないかとも思いますが、基となります型紙は、慣れてまいりましたら応用するといたしましても、最初はやはり必要。ほとんどの作品が小ぶりの袋物になりますので、袋物の仕立ての基本というのも、必要な技術。
他の生徒さんの話を伺いますと、驚くべきことにほとんどの方が、日本玩具博物館の複数のちりめん細工教室に通い、それぞれの教室の作品を平行して作っているとのこと。中には月に何十個もの作品を制作する人もいるとか。なんでも“ちりめん病”という病があるのだそうで、これに罹ってしまうと、もう縫う手を止めることができなくなるとのこと。くわばら。
私の場合、どうしても自分から学びたいと思ったわけではございませんので、血涌き肉踊るというな興奮を覚えることはございませんでしたが、日本人としてこういった物を作ることができるというのは、よいことかとは思いますので、とりあえず3回、きちんと学んでみたいと思います。
ただ、少々気になります点も。こちらの日本玩具博物館のお教室は基本、キットを使っての講習。各自が博物館から好みのちりめんを購入することもできるのですが、それら全てがちりめん細工のために特別に織られた布なのだそうです。本来、古くなり、もう着れなくなってしまった着物の再利用として、作り継がれてきたはずのお細工。現在、古布はたいへん高価で、よい風合いのものを探すのはとても難しいとのこと。確かに美しく、扱いやすいちりめんが簡単に入手できるのは便利なことなのでしょうが、そのお細工用に、わざわざ新しい布を用意し、裁って使うというのは、本末転倒なような。
基礎をマスターいたしましたら、家にある古布で母と少しずつ作っていくのが、一番よい方法かしらと。