伊豆



 


温泉に入りたいという父の、できるだけ長く旅をしたいという母の希望を叶えるべく、年末より4泊5日、伊豆半島の旅へ。昨夜、無事に実家に戻り、駐車場に車を入れて走行距離メーターを見ましたところ、走りも走ったり、ちょうど700キロと1メートル。アップダウンの激しい伊豆の山坂道。ジャガー、一度も不調を訴えることなく、よく走ってくれました。

色々な旅館を試してみましょう、ということで、4日とも全て違う旅館。今日は修善寺温泉、明日は湯ヶ島温泉、明後日は弓ヶ浜温泉…と、さながらジプシーのように半島を流離った5日間。両親に一番好評でしたのが、こちらの露天風呂付きのお部屋。広々とした砂利敷きのテラスの横に総檜作りのテラス、そして陶器のお風呂。湯量が豊富とのことで、この露天風呂も源泉掛け流し。流れる川のせせらぎを聞きながら、のんびり湯に浸かりましたら、極楽極楽。「でもこの、お部屋に露天風呂っていうのは、ちょっとこう、訳ありの二人とか、色っぽい組み合わせの方が似合ってるわね」と母に申しましたところ、「関係ないわよ。色っぽくなんかなくたって。ああ、気持ちいいわ、最高!」、と。

お食事が素晴らしく美味しかったのは、弓ヶ浜の「はな里」という旅館。食前酒の梅酒に始まり、煮なます、伊豆牛のサラダ、旬の地魚のお造り、百合根万頭、さざえの壷焼、かさごの唐揚げなどなどからデザートまで。特別料理として、大きな鮑の踊り焼き(バターと醤油で)、伊勢海老の鬼殻焼き、伊豆牛のステーキ、と伊豆の味覚を大満喫。画像は、しめのご飯でしたのに、あまりの美味しさに3人で一鍋食べきってしまいました、金目鯛の土鍋仕立て。

こちらの「花さと」。お料理だけではなく、心遣いの嬉しいお宿。まずお部屋に案内されますと、手作りのゴマ団子と美味しい緑茶のおもてなし。お茶の美味しい旅館というのは、ほぼ100%、お料理も美味しいもの。入浴用のセットも、袋、タオル、歯ブラシまで、青、緑、黄、と三人分きちんと色違い。浴衣には足袋もセット。お部屋にお掃除が入るたびに取り替えられるバスタオル。夕食後、部屋に戻りますと、冷蔵庫にはシナモンシュガーを振りかけた、冷たいおみかん。お茶の葉は番茶に。そして夜はずっと、朝は6時半から、館内2ヶ所にきちんと豆を挽いて淹れた美味しいコーヒーが用意され、これまたお洒落なカップを自分で選んでいつでもいただくことができるのです。周囲には何もないのですが、とても静かで居心地よいひと時を過ごすことのできる旅館。
今回は、本を読む時間がたっぷりあるであろうと、スティーヴン・キングの「シャイニング 上」を持って出たのですが、時間があり過ぎて、読み進め過ぎないように今日はここまで、と我慢しなければならなかったほど。次回、このメンバーで4泊5日の旅に出ます折には、本を3冊は持っていくことにいたしましょう。