Heilongjiang Symphony Orchestra of Harbin



昨夜、オペラシティで聴いてまいりましたハルビン黒龍江交響楽団のコンサート。
仕事の関係で、少し遅れてしまい、途中からの入場。曲目は、シベリウスのヴァイオリン協奏曲の、ちょうど2楽章が始まるところ。のはず、だったのですが、(…え、知らない曲?シベリウスじゃない?現代曲?え?やっぱりシベリウス???)、と大混乱。あまりにオーケストラの音程やリズムが狂っておりまして、まるで別の曲のように聴こえてしまうのです。これほど凄まじきオーケストラの演奏は聴いたことがございません。一曲演奏を終わり、もしやブーイングなのでは、と心配いたしましたが、なんと、ブラボーと拍手の嵐。
不思議なことだわ、と思いながら、後半のショスタコーヴィチ交響曲第5番を。やはり時折よたよたと知らない曲になってしまうことはあるのですが、聴いておりますうちに、難曲に挑戦する心意気やよし、頑張って、と心の中で応援を送るように。演奏を終えますと、鳴り止まぬ暖かく盛大な拍手。おそらくそれは、楽団員の「演奏できる喜び」のようなものが、じわじわと客席に伝わってきたからではないかと。一糸乱れぬ演奏ばかりが、観客を感動させるわけではないのですね。
後で、裏方でお手伝いをしている知人に話を聞いたところ、「日本に行ける!日本で演奏できる!」と、団員達は皆、出国前からすっかりハイになってしまい、はしゃぎすぎて体調を崩している人続出なのだとか。明日の大阪公演に向けて、今日は移動日。体調を整え、また、心を打つ演奏をしていただきたいです。
最近の国際コンクールでは、上位入賞者に中国、韓国の奏者が急激に増えているとか。ハルビンのオーケストラもまだ今は荒削りではありますが、スケールの大きさに、テクニックがプラスされましたら、今後ぐんぐんと、立派なオーケストラに成長していくのではないかと。