社長ハリセンボン



先週から社長の様子が変。まるでシャーッ!と毛を逆立てる猫のよう。いつもは一日中冗談ばかり言っているのに、「俺に話しかけるな」と言わんばかりの態度。ちょっと何かを質問しても「わからない!自分で調べてよ」と。他のスタッフに対しても、むすっとして笑顔一つなく、電話の対応もつっけんどん。何が原因なのかわかりませんが、昨年もそのような時期が数週間あり、ある日すっといつもの面白い社長に戻ったので、その時を待つしかないかしらとも。
週明けの昨日、少しはご機嫌が直ったかしら、と出社するも「こんにちは」と事務所に入っていっても、ちらっとこちらを見ただけで無視。(はぁ?いくらスタッフにとはいえ失礼では?)。「こ・ん・に・ち・は」と再度大きな声でご挨拶をしたところ、こちらも見ずにぼそっと、「こんにちは」。(感じわるー。)その後も、何かにつけいちいちひっかかるような物言いと、とげとげした態度で、こちらはもう目の下がひくひくしそう。何とか溜息をつきつつ耐えて仕事を終え帰宅。母、娘、ミラノのピアニストにまで愚痴りと相談を。ピアニストは「何か注意したいのに言えないことがあってジレンマでいらいらしているのでは?」と。それならはっきりおっしゃりそうなタイプなのですが。
という事で、今日はどうかしらと出社しましたら、まだ、まるで体を膨らませ棘を立てたハリセンボン状態。事務所には、今日は社長と私の2人しかおりませんのに、引き出しの開け閉めはばたんばたん、書類もバンッと投げ、私の作業を見て「まだそれしかできてないの?」と。どう考えてものんびりペースで仕上げている仕事ではございませんでしたので、さすがにちょっと体に力が入ってしまうぐらい腹が立ち、一呼吸おいて、「あの、ここ数日、物言いがものすごくきついのですが、もしも私の仕事の仕方に何か文句がおありなのでしたら、はっきりとおっしゃっていただけますか?」と。すると、「物言いなんかきつくないよ」と社長。「きついですよ。このところずっと、ものすごく不機嫌じゃありませんか?」と訊き返すと「不機嫌だよ!…でも、あなたのせいじゃない。何か注意したいことがあったらはっきり言ってるよ。まったく関係ない。あなたに問題があるわけじゃない。」と言ったまま背を向けて黙ってしまわれました。
この会話の後は、ハリセンボンも少しは水を吐き出して落ち着いたよう。まあ色々おありなのでしょう。でも、もう50台後半なのですし、たとえ心が処理しきれないような問題があるにせよ、スタッフに当り散らすのはちょっと大人げないんじゃないでしょうかしら、ね、社長。
さて、明日は…。