太平喜餅酒多多買



歌川広重作「太平喜餅酒多多買(たいへいき もちさけたたかい)。餅軍対酒軍の合戦の図。この絵が描かれた天保から弘化の頃にかけては、餅菓子の「餅」がお菓子を代表する呼び名だったようだ、とのことですので、お菓子軍対お酒軍の対決、甘党と辛党がどちらが強いか、という絵巻。
見ますと、顔が杯だったり徳利だったり粽だったりお饅頭だったり、武器がすりこ木だったり杵だったり。鎧が通い帳だったり柏の葉だったり、と細かいところまで凝っておりますし、賑やかで華やかで見飽きません。味の素食の文化センターが所蔵しているとのこと、機会がございましたら実物を見せていただき、細かく書かれた武将達の名前など読みましたら、更に楽しむ事ができそうです。瓢箪徳利頭に桜を背負った御仁は「花山ちどりの助兵…」(最後の文字は判読できません)などと。
やや酒軍有利にも見えるこの戦。私の場合どちらも好物、特に贔屓はございませんのでどちらが勝ってもよろしいわ。見れば見るほど、お酒もお菓子も、皆美味しそう。