草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティバル



今年で25周年を迎えた草津アカデミー。毎年テーマを持って行われておりまして、四半世紀、記念の年として原点に戻り「バッハからベートーヴェンへ」というテーマで開催されました。
今回「草津音楽の森コンサートホール」で聴いてまいりましたのは最終日二日前、9月28日の『室内楽/オルガン、チェンバロからピアノへ〜鍵盤音楽の歴史』というプログラム。
舞台上にはオルガン、チェンバロ、ハンマー・クラヴィーア、そしてピアノ、と4つの鍵盤楽器が並べられ、それぞれの楽器のスペシャリストによってその楽器の持つ音色と、鍵盤楽器の変遷を聴くことのできる、盛り沢山の楽しいコンサートでした。
出演者は4名。クラウディオ・ブリツィ(org,cemb)、アントニー・シピリ(hamk)、ピエール・アモイヤル(vn)、もちろん皆さんたいへん達者で魅力的な演奏を聴かせてくれたのですが、やはり一番の聴き所はイタリアの生んだ天才ピアニストのブルーノ・カニーノ。彼の音楽の世界に引き込まれてしまうかのような研ぎ澄まされた演奏と、ご挨拶の時のまるで腰の低い商人(あきんど)のような物腰とのギャップもまた魅力的。プロフィールに「人柄は円満で謙虚」と書かれているアーティストというのは、他にはいないのでは?
アーティストの方々は、草津という高原の温泉地でのコンサートという事もあってか、東京でのコンサートと比べ、とてもくつろぎ、そして自分たちも演奏する事を心から楽しんでいるように感じられました。今夜娘が戻りましたら、色々と舞台裏の話など聞かせてもらおうと思っております。



万座の空吹き