隠し子ごっこ?



先日、ピアニストの取材に立ち会いました時の事です。喫茶コーナーでテーブルを囲んでおりましたのは、雑誌の編集長と、ライターさん、ピアニスト、そして私の計四名。インタビューを始めて暫くいたしまして見知らぬ一人の男の子が私たちのテーブルに駆け寄ってまいりました。年の頃は5、6歳といったところでしょうか。そして、その子が突然編集長さん(男性・おそらく30代)に向かって「パパ!パパ、パパ!」と叫んだのです。編集長さんは驚いたような顔をして「え!え?パパじゃないでしょ」と。それでも男の子は彼をじっと見つめて「パパ、パパァ!」と。「実は…お子さんだったりして?」と半ばふざけて伺うと「違います、違いますよ」と。それでも、その男の子は「パパ、パパ…」とテーブルを離れません。

2、3分ほど経ちまして背後から「○○○」と声がしたので振り返ると、その男の子は両親らしき人達が立っておりました。名前を呼ばれた男の子は私たちのテーブルを離れ「あらあら、ちゃんとパパはいるんじゃないの」と思ったのもつかの間。今度は離れた別のテーブルに駆け寄り、そのカップルの男性に向かって「パパ!パパ!」と。そちらのテーブルは、なんとなく気まずい雰囲気が漂ってしまっておりました。あの子は何がおもしろくてあのような事をしていたのでしょうか。いけない子だわぁ。