HERBERT VON KARAJAN



実際にその演奏に触れる機会のあった巨匠シリーズ、第二弾!は、指揮者、カラヤンです。会場は今もあるのでしょうか、大きな大きな普門館。どうしても聴きたい、というまだ小学生だった弟と二人でまいりました。演奏はなんですかホールがあまりに大き過ぎて、音が届いてまいりません(国際フォーラム、ホールAと同じような感じ)で、さして素晴らしいとは思わなかったのですが「ああ、あれが帝王カラヤンなのね」と、そこにカラヤンがいる事に感動。

そう、忘れもいたしません、このコンサートの時の出来事を。演奏の途中で弟がどうしてもトイレに行きたいと言いだしまして。どうしても我慢できないと申しますものですから、では迷惑にならないように静かに行ってらっしゃいね、と席を立たせました。5分ほどした頃でしょうか。近くのドアからダァーーーン!という、付近の人達が皆振り返るほどのもの凄い音が聞こえました。うわ、もしや弟?今の音は絶対にカラヤンにも聞こえちゃったわよ、とドキドキしたのですが、ドアからは誰も入ってまいりません。それからまた5分ほどして、弟は静かに静かに席に戻ってまいりました。

コンサートが終わったあと弟に、貴方が席を立っている間にもの凄い音がしたのだけど知ってる?と尋ねると「え、やっぱり聞こえたんだ。あれ僕。もうちょっとでドアっていう所で転んじゃってさ。思いっきりドアに頭ぶつけちゃったんだ。すぐに入ると僕だってわかっちゃうから、ちょっと時間をあけて違うドアから入ってきたんだ」と。いやはや・・やはり君でしたか。

今更ではございますが、あの日のコンサートでお近くの席だった方々、弟がご迷惑をおかけいたしました事を深くお詫び申し上げます。