関西の言葉



先日、お能を観せていただきました時に、後ろの席に座られた5人ほどの学生さん達の中に、一人関西出身の男の子がおりました。聞くともなく話を聞いておりますと、残りの4人がみな、その子の関西弁を真似しようとするんですね。

で、最初のうちは、正しいイントネーションを伝えようと微妙な違いを一生懸命伝えていた彼ですが、最後には「もうやめよう。本当に気持ち悪いからみんな標準語で話して。関西の人間というのは、意外に排他的なところがあるんだ」と。この事は以前にも関西の方から伺った事がございまして、おかしなイントネーションで関西弁もどきを話されるのは、とても辛いのだそうですね。

でですね、職場で電話を受けるようになりまして、当然関西の方からもお電話があるわけです。その中にお一方、ものすごく強い、と申しましょうか、力のある関西弁を話される方がいらっしゃるんですよ。

私は、今までずっと相手が関西の方でも影響を受けずに普通にお話する事ができる、と自負してまいりました(大げさですね)。なんと申しましても、幼稚園から小学生の低学年にかけてという、たいへん影響を受けやすい時期に数年間、関西で暮らす機会があったにもかかわらず、母が驚くほど、学校でも標準語を貫き通した子どもだったそうですので。

ところが、この方がお相手ですとぜんぜんだめ。影響されるのか、動揺してしまうのか、まるで日本語ではないような、ものすごくおかしな話し方になってしまうんです。困りました。事務所があるのは大阪の船場。事務所があるから、という訳でもありませんがこれが船場言葉なのかしら、などと思ってみたりして。でも船場言葉って、今ではもう残っていないのでしたっけ。

そういえば、私と交互に出社しているのでお会いする機会がなかなかなかった、もう一人のアルバイトの方に、先日の設立記念パーティーでやっとお会いする事ができました。お話をしてすぐに、関西出身の方だとわかったので伺うと、神戸で育たれたのだとか。きれいな関西弁を話される、清楚で可愛らしい雰囲気の方でした。あ、でもね、一回だけ会話の中で「めっちゃ」を使われました。この言葉は確か、綺麗な関西弁ではないのでしたよね?可愛い方が使われると、とっても可愛く聞こえたのですが。