ミルフィーユの正しい食べ方



当日記には、たいへんありがたい事に優秀なブレーンがおりまして、ミルフィーユの正しいいただき方についても、素敵なメールをいただきました。一人で読んで喜んでいるのはもったいないので、こちらもご紹介を。

ヨーロッパのカフェでミルフィーユを注文した場合、
必ずナイフとフォークが付いてきます。
フォークで押え、ナイフで切ろうとした瞬間から、
ミルフィーユは断末魔の悲鳴をあげ始めます。
パイ生地は小さく割れて飛び散るわ、
苺は飛び出してくるわ、クリームは流れ出してくるわで、
お皿の上はパイ生地と苺とクリームで渾沌とした様相を呈します。
これをかき集めて、
つまり、
クリームを接着剤代わりにしてグチャグチャの状態で食べるというのが
正しいスタイルです。
ミルフィーユを美しい状態のままで食べる・・・という考え方が、
そもそも誤りなんですね。
苺が飛び出しても、
「オウオウ、愛い奴じゃのぅ。そんなに逃げんでもよいではないか。
 そこで待っておれよ。そのうち食べて進ずるほどに・・・」
とかなんとか言いながら、鷹揚に構えていれば良いのです。

そうです。
ミルフィーユはナイフとフォークを使い、
いくらパイ生地が飛び散っても動ぜず、
背筋を伸ばして堂々と食べるのが正しい食べ方なのです。
食べるという、ある意味では動物的な行為を美化し過ぎるといけませんね。



そうでしたか。私は止むを得ず公の場でミルフィーユをいただかなくてはいけない場合には、一番上の層から一枚ずつはがして、まずパイ、クリームと苺、パイ、またクリームと苺、というように食べる事にしていたのですが、これからは是非この方式を。背筋をぴしっと伸ばし、堂々とグチャグチャにしていただく事にいたしましょう。ご一緒するお相手を選びますのと、多少の勇気が必要ではありますが。