仕込み



この、水に浸した大豆が半年後には美味しいお味噌になります。

一晩浸した豆を、煮込むこと約8時間。指先で簡単に潰すことが出来るほど柔らかく煮上がった大豆を熱々のうちにすり潰し、麹、塩を加えて良くまぜたものを直径10センチほどの味噌玉に。

この味噌玉を陶器の瓶に投げ込むところが、味噌造りの佳境と言えるでしょうか。少しでも隙間が空くとそこから黴びてしまいますので、思いっきり力を込めてばしっと投げ込まなくてはいけません。家庭用ですので、そう大きくはない瓶の口。少しでも狙いがはずれると味噌玉の半分は瓶の口元に、半分は壁に、などというとんでもない惨事に。ティム・ハドソンのようにコントロール抜群のBFが欲しくなります。

最後に塩蓋、瓶の蓋、そして紙で瓶を包んで冷暗所に置いたら作業完了。豆を洗うところから、ほぼ一日仕事。「パトラッシュ、僕はもう疲れたよ」と呟きたくなるぐらいくたくたに。でもね、材料も吟味して取り寄せておりますし、心はこもっておりますし、それはそれは美味しいお味噌ができるんですよ。

まさに手前味噌、です。