14の夕べ その3



東京国立近代美術館 開館60周年「14の夕べ」最終日の今日は一柳慧さん。

どうしてもの手伝いがあり、午後5時からの「まだ来ぬ14番目の夕べを待ちつつ、過ぎさった13の夕べを振り返るトークイベント『結果とは過去である──そして、穴の底では、夢みるように』」は残念ながら聞くことはできなかったのですが、8時からの一柳慧さんのプログラムにはなんとか間に合いました。

開場ぎりぎりだったにもかかわらず、幸せなことに砂かぶり席に着座。

押すこと10分。おお、生一柳慧さん登場。感動。プログラムは、「限りなき湧水」、「ピアノ音楽第8」・「ピアノ音楽第4」(同時演奏)、「ミュージック・フォー・リビング・スペース」、「弦楽器のために」、「ピアノ音楽第6」。

お年のことを申し上げたら失礼になるかとは思いますが、来年80歳になられるとはとても思えない、力強く、知的で制御された印象の素晴らしい演奏。やや節くれだった繊細な指先から奏でられる、静穏なベートーヴェンの「月光」、時に轟音とも言えるような「ピアノ音楽」。これも見事などといったら失礼になりますが、内部奏法の素晴らしいこと。

会場にはなんと赤ちゃんが。一柳さんの演奏に、いい所であうあう合いの手を入れるのですよ。途中、もの凄い轟音の時にふとみるとすやすや眠っておりまして。凄いわあ、普段何を聴かせて育てているのかしら、と。来年もしも同じような夕べが開催されたら、我が家のちび達も連れて行ってあげましょう。

出かける前は少し頭が重かったのですが、演奏を聴いているうちにすっかり快復。思いきって行って良かった。

画像は、エントランスホールの壁面に14台ものプロジェクターを使って映しだされた、14夜全てのプログラム画像の中から、小杉武久さんの夕べより。

画像の中では高橋悠治さんが、竹箒を手に登場してパフォーマンス中のよう。レレレのおじさん風だわあ、と思いながら拝見しておりましたら、なんとご本人が目の前を通過!!!