千葉市美術館、DIC川村記念美術館



今日は冷たい雨の中、アーカイヴの仲良しメンバー5名で、千葉市美術館《瀧口修造マルセル・デュシャン》、佐倉のDIC川村記念美術館《抽象と形態:何処までも顕れないもの》を観てきました。どちらも何かきっかけがないとなかなか訪れない美術館ですので、声をかけていただいて良かったです。どちらも素晴らしい展示でした。
まず、千葉パルコ、ヴィレッジヴァンガードのカフェでハンバーガーとコーラのジャンクなランチ。検査の後で良かったー。
その後、徒歩で千葉市美術館へ移動。《◆瀧口修造マルセル・デュシャン実験工房の作家たち》。瀧口修造とマルセル・デュシャン|2011年度 展覧会スケジュール|千葉市美術館
2時間ほどではとても見きれない、驚くほどの量、質の展示でした。デュシャンの異名「ローズ・セラヴィ」を自分の墓碑に刻んだ瀧口修造。300点を超える作品や資料をとおして、二人の交流が紹介されます。
14時からは講堂で講演会「瀧口修造 2つの旅とデュシャン」を聴講。これが会場に催眠ガスでも散布されているのではないかという激しい睡魔に襲われ、体を真っ直ぐに保つことのみに僅かに覚醒している全意識を集中。どうやらこのうっとりとするような厳しい状況は私だけではないようで、時々「目覚めよ」とエアコンが切られて寒さで意識が戻るのですが、このような対応をとる美術館側もさる者。そうこうする内に、川村記念美術館への無料シャトルバスの時間に。
この千葉市美術館、一階にある『さや堂ホール』が素晴らしい空間。響き過ぎるぐらい音が響く空間。コンサートに使用できるとか。聴いてみたいです。今回の展示期間中も、『高橋アキ・ピアノ・リサイタル−ケージ・武満・実験工房』が開催されたようで、これは聴いてみたかったわあ、と。千葉市美術館
さて、皆この移動のシャトルバスで仮眠を取る心づもりだったのですが、講演で仮眠を取ってしまったので眠ることができず。それでも思いの外近く、20分ほどでDIC川村記念美術館へ。開催中の展覧会 | DIC川村記念美術館 
こちらの美術館も初めて訪れましたが、白鳥が戯れる池を取り囲むのは靄のかかった深い森、という日本ではないような風景の中に建っておりましてとても良い雰囲気。《抽象と形態:何処までも顕れないもの》、も質量共に素晴らしい展示でした。ジョゼフ・コーネルの箱も千葉市美術館に貸出中のものも含めて5つも観ることができて大満足。
常設展示がまた素晴らしく、バーネット・ニューマン《アンナの光》のある一室、マーク・ロスコの〈シーグラム壁画〉による一室、などはこの部屋に展示されてこその作品の魅力という印象。ルノワールシャガール、モネなども無造作と言えるほどあっさりと展示されておりまして、さすがにガラスはあるものの、それこそレンブラント『広つば帽を被った男』に頬ずりができちゃいそうなほど近づくことができるのです。幸せ。
お茶室でお抹茶をいただいたりしながら閉館まで展示を満喫。シャトルバスで佐倉、電車を乗継東京へ。盛り沢山で楽しい一日でございました。