ロシア国立交響楽団




サントリーホールで、ロシア国立交響楽団の実に14年ぶりという来日公演を聴いてまいりました。
指揮はマルク・ゴレンシュタイン。プログラムは、グラズノフバレエ音楽「ライモンダ」より3つの小品。ショスタコーヴィチのチェロ協奏曲第1番 、チェロはアレクサンドル・ブズロフ。そして、ラフマニノフ交響曲第2番。
素晴らしいコンサートでした。力強く、張りのある音色、色彩感溢れる音楽。これぞロシアの音、というのを聴かせてやろうじゃないか、という自信に満ち溢れた演奏。お見事。
洗練され、整った響きではなく、たくさんの個性が集まって大きな厚みのある響きになっているという印象。鳴らす所はこれでもか、と荒っぽいぐらい鳴らしますが、かと言って荒削りということもなく、繊細な響きもうっとりと聞き惚れる美しさ。
そして、「被災者の方々に捧げます」という指揮のゴレンシュタインさんのご挨拶に続き演奏されたアンコールは、ラフマニノフのヴォカリーズ。泣きました。周りからもずっとすすり泣きが聴こえておりました。曲が終わっても静まり返ったままのホール。ゴレンシュタインさんが静かに十字を切り、暫し。ようやく拍手が。
オーケストラのメンバーの中でも色々な意見がありましたでしょうに、このような時期に皆で来日をし、素晴らしい演奏を聴かせてくださったことに感謝を。