リーズ・ドゥ・ラ・サール



紀尾井ホールでリーズ・ドゥ・ラ・サール ピアノ・リサイタルを聴いてまいりました。久々にコンサートで驚きました。久々に手が痛くなるほど拍手をしました。
フランスのピアニストでまだ23歳になって一週間という若さ。名前を聞いたことはありましたが、特に興味のあるピアニストということもなく、声をかけてくれた知人も、シェルブール生まれ、と、美しさに惹かれてのチラシ買いであったとのこと。舞台に登場した彼女は、チラシの画像の妖精のような雰囲気とは違い、胸元の開いた黒いすっきりとしたドレスに、髪もまとめてきりっとした印象。席が、2階舞台横、ちょうどピアニストを正面から見下ろす位置ということもあり、なんですかこちらが照れてどぎまぎ。
この日は、生誕200年記念、オール・リスト・プログラム。前半が、バラード第2番 ロ短調、葬送〜「詩的で宗教的な調べ」より〜、愛の夢第3番 変イ長調、ダンテを読んで−ソナタ風幻想曲、。後半は、シューマンの献呈、シューべルトとのセレナーデなどリスト編曲もの。
なんと申しましても圧巻は前半。弾き始めた瞬間、その姿からは想像もつかない正確で強靭なテクニック、うねる音楽にびっくり。観客があっという間に彼女の音楽の波に飲み込まれていくのが伝わってまいります。乱れる髪を気にすることもなく、驚くべき集中力でばりばり弾き進める。力強いだけではなく、こういう弱音が聴きたかった、と思わせる繊細なPPPから怒涛のfffまで、指のコントロールに自信があればこその多彩な音色が繰り出されます。愛の夢は必要なかったかも、とも思いましたが、『ダンテを読んで』では、まさに天国と地獄を聴かせてくれました。なんとも魅力的なピアニスト。
アンコールは、スカルラッティまでちょっとうねってしまってスカルラッティじゃないようでしたり、ドビュッシーももう少し色彩感があっても、などと感じましたが、まだ23歳。自分でチケットを買っていないのになんなのですが、この内容で¥3,000はもの凄くお値打ちだと思いました。次回来日いたしましたら、また絶対に聴きたいです。
リーズ・ドゥ・ラ・サール ピアノ・リサイタル〜プロジェクト3×3 Vol.2 – iclassic