ピクノポリス



ミッドタウンのd-laboでセミナー「ピクノポリス」を聴講してまいりました。お話をしてくださったのは、建築家であり、東京ピクニッククラブTokyo Picnic Club WEB SITEを主宰されている太田浩史さん。
PICNIC/ピクニックという言葉の響きは可愛らしいですが、実はピックpique/刺す、 nique/辛辣、sexという意味も持ち、基本『大人の社交の場』であるとのこと。ピクニックという言葉が最初に使われたのは意外と近年、1802年イギリスでのこと。最初のPic Nic Clubは屋内での開催、音楽を奏で、踊り、男女が夜通し一緒に騒ぐどんちゃん騒ぎで、私たちがイメージするピクニックからはずいぶんとかけ離れたもの。もちろんその前にも、映画「エマ」の中に出てくるような皆でお茶の道具を持って野原で語らう(実はこれもほとんどがお見合いの場であった)ということはしておりましたが、その頃はまだピクニックという言葉はなかったそうです。
東京ピクニッククラブはこの1802年からちょうど200周年にあたる2002年に誕生。主催の太田さんが奥様と有栖川宮記念公園でケーキを食べている時に、ふと見ると外国人がシートを広げ、ワイングラスなど傾け楽しげに語り合っているのを見ていいな、と思われたが最初のきっかけとのこと。
残念ながら今は新規会員募集はしていないそうですが、活動は楽しそうに続けていらっしゃるご様子。まず驚かされるのが、ピクニッククラブが所蔵しているヴィンテージのピクニックセットのコレクションの量と質。なんでも海外のオークションで競りあっていた世界唯一のコレクターのコレクションも故あって譲り受けたので、現在はおそらく世界一のピクニックバスケット、ピクニックハンパーのコレクションであろうとのこと。
また、公園の芝生の上でのんびりとピクニックを楽しむだけではないようで。公開空地ならば、ビルの合間や広場の小さな芝地であろうが、中央分離帯であろうが、ピクニックを決行。時には立ち入り禁止エリアにも、とずいぶん攻撃的。
独自の美学をお持ちで、ブルーシート、紙コップ、紙皿を使用するなど論外。簡単なお約束ごとは、サイトにも掲載されております「ピクニックの心得/15Rules for Picnic」をご覧いただければと。
その他、海外での活動、ピクニックセットの変遷、入手方法、お薦めの公園や、お薦めの料理など、興味深いお話満載。もう、絶対にピクニックをしよう、と心に決めました。まずはお道具から、でしょうかしらね。