ヴィジェ・ルブラン展



見たい見たいと思いながらなかなか行けずにおりました、三菱一号館美術館で開催中のヴィジェ・ルブラン展。知人にお声かけいただきようやく観てまいりました。
マリー=アントワネットの画家として有名で、『ベルサイユのばら』にも登場しておりますヴィジェ。若くして貴族や上流社会の婦人、令嬢から絶大な人気を得ておりました女性画家。次々に派遣される肖像画家たちの技量が気に入らず絶望していたアントワネットも彼女の絵には大満足だったとか。まあ、言ってしまえばぎりぎり本人だとわかる範囲内で実物よりも圧倒的に美しく描くことができた、ということのようです。
ヴィジェが描いた女性は皆、思わず触れてみたくなるような柔らく透き通るような白い肌、恥じらい上気しているかのような桃色の頬、そして煌く潤んだ瞳。今で申しましたら最高のフォトショップ職人、といったところでしょうか。
また今回ヴィジェだけではなく、当時の女性画家が描いた自画像がいくつか展示されておりましたがそのどれもが、王侯貴族のご夫人方、令嬢方よりも魅力的で、「こんなに美しい人が存在したのかしら?」というほど麗しく描かれておりまして。女性としてはその気持が理解できなくもございません。「美しい私」、残しもの勝ちですわよね。