コンサート二つ




知人にお声掛けいただき、先週の木曜日、東京文化会館小ホールで開催された天満敦子さんの無伴奏ヴァイオリンリサイタルへ。
ルーマニアの作曲家ポルムベスクの“望郷のバラード”を生で聴いたのは初めてのこと。照明を落とした舞台に一人立ちヴァイオリンを奏する姿は、まるで神から選ばれた巫女のようでした。
もう一つ。ご招待いただき、仙川アヴェニュー・ホールでファルヴァイ・シャーンドル、ピアノ・ソロ・リサイタルを聴いてまいりました。シャーンドル氏はハンガリー、リスト音楽院の現院長。リストから数えて12代目とのこと。
仙川アヴェニュー・ホールのピアノはファツィオリ。FAZIOLIは1981年イタリア創業のまだ新しいメーカーなのですが、最高級の素材と、職人による緻密な手作業による製法により、ピアノのストラディヴァリウスとも呼ばれているとのこと。と申しましょうか、そう呼ばれるべく、志高くピアノを作っているメーカーです。
ピアニスト1がショールームを使わせていただくなど、これまでもずいぶんお世話になっているのですが、ホールでその音色を耳にいたしますのは初めてのこと。最初は中音部の金属音が気になり、ピアニストも緊張をしておりましたのか、どうも響かずもう一つだわ、と思っておりましたが、中盤から俄然豊かな響きに包まれ、特にシャーンドル氏のお家芸ともいえるリストではうっとり。
スタインウェイともベーゼンドルファーとも違う、骨太で力強くもあり、繊細で優美でもあるピアノ。2010年度からはショパン・コンクールでも公式ピアノとして導入されるとか。楽しみです。