申し訳ない



思い出しますと、あまりに申し訳なくてため息が出てしまいます。
毎年、お声をかけていただいているピアニストのコンサートがあり、譜めくりのお手伝いをさせていただきました。15分の休憩を挟んで2時間少しのプログラム。順調に終えることができるかと思われた一番最後のプログラムでなんと、譜めくりの私がミスをしてしまったのです。細かくやや薄い印刷の楽譜ではあったのですが、一番右下端の繰り返し記号を見落とし、ページをめくろうと立ちあがり、楽譜に手をかけてしまったところ、ピアニストの口が「まだよ」と。そしてその状況に動揺されたのでしょう、少しですが弾き直しをしてしまわれたのです。私が間違って譜面に手をかけたりしなければ決してしなかったミス。
ただただ謝るしかなく、ご本人も本当に良い方なので「弾きなおした私がいけないの。あなたのせいじゃないわ。覚えていたんだから、弾けたはずなのに」、ともう涙が出るような言葉をかけてくださり、この事を伝えた関係者も「ぜんぜん気がつきませんでしたよ」とはおっしゃってくださったのですが、どのような状況であったにせよ、決して許されないミスです。ここ数年、何度か努めました譜めくりでミスをしたことがなかったので、どこかに油断と驕りがあったのかもしれません。
何かミスをしたら気持ちを切り替えてベストを尽くすしかない、と常日頃考えておりますが、今回のことはもう何をしても取り返しがつきません。不注意からご迷惑をおかけし、本当に申し訳ございませんでした。