TOCCATA E FUGA





夏の夜にローマ市内の広場で行われる音楽イベント「トッカータ&フーガ」。10万人以上の観光客や市民を魅了してきたこのイベントが東京ミッドタウンで開催されるとのこと。これは見にいかねば、と今日一回目の舞台、11時半の開演時間に合わせてミッドタウンのキャノピー広場へ。
仮設舞台の上にはグランドピアノ、大きなモニター、そしてナヴォーナ広場の木製模型。ちょうど開演時間に会場に着いたのですが、まったく始まる気配がございません。
PA席の前で待つことにいたしましたが、イタリア、日本の関係者が、「この曲はCDを使うそうです」、「あ、はい、わかりました」、「ここでビデオは使わない」、「それは誰が指示を出したの?」、「わからない」、「まったく情報がない」、「不思議な状況だ」、とばたばたしている様子。
なんとびっくりの45分押しで開演。さすがローマのイベント、イタリア時間、ゆるゆるの仕切りで大丈夫なの?と少々心配しておりましたが、始まりましたらなんのなんの。ソプラノ、メゾソプラノテノールバリトン、四名のローマ・オペラ座ソリスト達の歌声の素晴らしいこと。PAを使わずに聴けたらどんなに幸せかしらという声量、声の張り。見事です。
ローマが舞台のオペラ、プッチーニ『トスカ』から「歌に生き恋に生き」、「星は光ぬ」、他にもやはりプッチーニの『蝶々夫人』、『トゥーランドット』、モーツァルトの『フィガロの結婚』、ヴェルディの『椿姫』、ビゼーの『カルメン』、などから、これでもかという名曲の数々。そして「オ・ソレ・ミーヨ」、「カルーソ」、「アリヴェデルチ・ローマ」などのカンツォーネも。更に『トスカ』や『イリス』の衣装のファッションショー、とアンコールを含めますと1時間以上の舞台。大満足。
あまり混み合ってもおりませんし、仕切りがゆったりですので、まさに齧り付きで見ることも可能。舞台袖から『イリス』の衣装の写真撮影をしておりましたら、すぐ隣にテノールのファビオ・アンドレオッティ氏が。思わず恥らって目を伏せてしまいましたが、思いきって握手をお願いすればよかった。
明日もお昼、12時から同じ内容での公演があるよう。オペラがお好きな方は是非。