『骨』展



東京ミッドタウン、21_21 DESIGN SIGHTで開催中の、山中俊治ディレクション『骨』展、を見てまいりました。招待券をいただいていたのですがなかなか時間が取れず、最終日の今日ようやく娘と孫と三人で。
まずエントランスには日産フェアレディZの銀色の骨格。三国一の恐がりの孫は、すでにここで、「うわい(こわい)、うわい」。ベビーカーがありましたのでエレベーターで展示フロアへ移動。まさに、骨、骨、骨…。山中俊治さんのものを再現したという頭蓋骨によるご挨拶に始まり、ダチョウの骨格標本、様々な生物の骨格の写真など、動物達の骨。航空機や家電製品のX線写真、分解された時計の部品、家具の骨格など、工業製品の骨。そして、玉屋庄兵衛さんの『骨からくり/弓曵き小早舟』や、明和電機のただ笑うロボット『WAHHA GO GO』 、慶應義塾大学山中研究室の、“鞭毛”という意味を持つ、青くてくねくねと柔らかそうでいて実は硬いロボット『Flagella』、緒方壽人 、五十嵐健夫氏さんによるインタラクティブ作品、壁に映った自分のシルエットが“もうひとつの影”となってぴこぴこと動き出す『another shadow』、などなど、どれも素晴らしく興味深い展示ばかり。
中でも、これは部屋に一台欲しい!と思いましたのが、参による、『失われた弦のためのパヴァーヌ』。グランドピアノの骨、アクション(鍵盤の動きをハンマーに伝え、弦を振動させるピアノ内部の仕組み)を元に、音と光を紡ぎ出す楽器。ピアノという楽器がすでに存在しない世界で、忘れ去られていた楽器というコンセプトで生み出されたという、幻想的な作品です。実際に演奏をしても良いとのことで、たくさん弾いてまいりました。アクションは重ためですが、奏でられる音色は、まるで夢の中で遠くから朧げに響いてくるピアノのよう。正面の壁に映しだされます色とりどりの光は、ステンドグラス越しの陽の光のよう。なんと美しく素敵な楽器でしょう。ショパン、バッハの他、孫を喜ばせるために、アンパンマン、トトロの曲なども弾いてまいりましたが、やはり一番しっくり合っているように感じましたのは、作品名もおそらくここから取ったと思われます、ラヴェルの『亡き王女のためのパヴァーヌ』。
楽しい展示でしたので一度回っただけでは立ち去りがたく、もう一巡。最初は全ての展示を、「うーわーいー!」、と恐がっていた孫も、二度目になりますと余裕。今日が最終日なのが残念なぐらい。繰り返し訪れたかった、とても素敵な展示でした。
http://www.2121designsight.jp/bones/