ホテル 田舎の日曜日 2日め



白とグレーを基調としたホテルの建物は、カーテンのない作り。朝の目覚めは鳥の囀り、窓から日差し、そして階下から聞こえる朝食の用意の音。
画像は一泊めの朝食。フライドエッグ、生ハム、とたっぷりの蒸し野菜、生野菜に果物、オレンジのコンフィチュールの添えられた紅茶。自家製ゴマ入りパンに、お母様お手製のジャムが三種類、と朝からボリュームたっぷり。BGMはイギリス、KEFの驚くほど音の良いスピーカーから流れるヨーヨー・マのチェロの調べ。ダイニング・ルームのテーブルは、重さ450kg、長さ4m50cmもあるというナラの大テーブル。優雅な朝食です。
前夜のディナーは更にたっぷり。豆腐と海老の前菜、タケノコの炊いたの、ボールいっぱいのサラダ、野菜スープ、魚のタケノコ入りオランデーズソース焼き、蕨の牛肉巻き、ライス、ケーキ、飲み物、とフルコースで、もう歩けないというほどお腹いっぱいに。どれも手の込んだ心尽くしの手料理でたいそう美味。夜は11時過ぎまで一階のリビングが開放されておりますので、皆、好きな音楽を聞いたり、本を読んだり、オルゴールを鳴奏したり、静かに語り合ったり、と思い思いにゆったりと過ごします。
さて、朝食後は部屋で少し寛いだ後、4000坪というホテルの敷地を出まして散歩をすることに。見事な鶯の鳴き声に耳を傾け、野に咲く花々を愛で、道端の何やらわからぬ獣の足跡に驚いたりしつつ、山を散策。途中温泉に入ったり、ランチをしたり。一度宿に戻り、午後からはホテルから歩いてすぐのところにございます、現代玩具博物館とオルゴール夢館へ。静岡から飛んで帰ってくださったという副館長のH(brinail)さんにご挨拶後、館内を見せていただくことに。おもちゃツアーでは、ネフ社の積み木のパフォーマンスを。オルゴールコンサートでは、手紙を書くピエロ『ピエロ エクリバン』や、100年以上前のオルゴールの澄んだ美しい音色に、もううっとり。
博物館からの帰りは、ご親切にHさんがホテルまで車で送ってくださるとのこと。しかも、譲り受けたという、aquioさんの愛車で!ここで無理を言ってお願いをいたしまして、大きく寄り道、Hさんがお仲間と新しく開設されるというギャラリーを見学。その後母が興味を持ちました、『愛の水』という湧水を回っていただき、ホテルまでお送りいただき、お願いしてありました資料を受け取り、少しだけ打ち合わせを。
部屋へ戻りベッドで読書。またまた美味しく盛りだくさんな夕食後、リビングでくつろぎ、入浴。母は、aquioさんのお母様とすっかり意気投合。体型がやや似ているということもあり、共通の悩みである足の痛みなどの老化現象、また、ファッション、料理、旅などについて、滞在中ずいぶん長い時間語り合っておりました。
ホテルのパンフレットに書かれております、「ホテル田舎の日曜日は、何かをするためではなく、何もしないために訪れていただきたいホテル。」との言葉通り、テレビもパソコンもなく、更けゆく夜を静かに過ごす。東京ではまず経験のできない、ゆったりと流れる時を感じる旅、となりました。