流血コンサート



ピアニスト1と、元Gークレフのメンバー榊原大さんによるコンサートを聴きに、巣鴨にございます小さなホールへ。
二人は東京芸術大学の一年先輩後輩という間柄。ともにクラシックを学ぶだけでは飽き足らず、学生時代からポップスへと流れていき、早くからプロとして活躍をし、その後もずっとプロフェッショナルとしての厳しい道を歩んでまいりました、海千山千のアーティスト。
80名ほどしか入ることのできない小さなサロンでの開催がもったいなく感じられるほどの、私が申し上げるのもなんなのですが、もう「凄い」としか言いようの無いライブでした。
確かなテクニックと、楽曲理解に裏打ちされた演奏。二人のオリジナル曲の他、スティーヴ・ライヒショスタコーヴィチ、フリードリヒ・グルダフランク・ザッパ…と、実験的とも言えるプログラムの数々。こういうことをさせると、世界でも並ぶ人達はそうはいないであろう、と舌を巻く熱演。
手加減をしない男性ピアニストとバランスを取ろうと思いましたら、鍛えているとは言え、女性の指先にはどうしてもかなりの負担が。回数を重ねたリハーサルですでにかなり傷めたピアニスト1の指はコンサート途中から出血。バンドエイドで傷口を押さえながら演奏が続けられましたが、終演後にはホールスタッフが鍵盤に付いた血を長い時間をかけてふき取る姿が。いやはや、凄まじいライブでございました。
事務所は辞めることになりましたが、ピアニスト1のお手伝いは今後も続ける予定。こんなに面白い、凄いことができるピアニストと一緒に仕事ができるのはとても幸せなこと。出来る限りのことをしたいと思っております。