オートマタ



aquioさんが最初の個展をされた時に買い求めました作品は、『朝の水くみ』。実は、この作品、今、私の手元にございません。
もう何年前のことになるでしょうか。同じ作品を注文したいという知人がおりまして、そのことをaquioさんに伝えましたところ、「今ちょっと忙しくて作品を作る時間が取れないので、とりあえずemimiさんの手元にある作品を譲って差し上げていただけませんか。emimiさんには、また必ず作りますので」、とのお返事があり、その言葉を信じて知人に譲ってしまったのです。
その後、博物館のお仕事などですっかり忙しくなってしまったaquioさん。しつこく、「お約束の作品を」、とお願いし続け、昨年も何度かお訊ねしたのですが、「どうにもこうにも、その時間がない。来年には岡山の博物館の心配がなくなり、そうしたらまた少し落ち着いて作品を作りたいと思っていますので」、と。他にもいくつかの作品もお願いしておりまして、「emimiさんの注文とあらば、何でも喜んで作りますよ。でも、個展の時には貸し出しが条件ね」、などとあの笑顔でおっしゃるので、「もちろん、それでも結構ですからお願いします」、とお伝えしていたのですが、結局、作っていただけないまま、このようなことに。
プレゼントをしていただいた、針金細工の作品、自筆スケッチ、オルガニート、オルゴールなどは遺していってくださったのですが、オートマタが1つもない。大ファンでしたaquioさんの作品が手元に1つもないのが、とても悲しくて、そして残念で。
と嘆いておりましたところ、思わぬ方より、作品を譲ってもよい、とのお話が。信じられません。あまりの嬉しさに、メールを拝見しながら大泣きをしてしまったほど。
早速来週、作品を拝見しに、その方のお宅に伺うことになりました。有難いことです。