ハルダンゲル ヴァイオリン



今日は仕事を終えてから、CHANEL Pygmalion Special Concert Series、 山瀬理桜さんの、ヴァイオリン&ハルダンゲル ヴァイオリンコンサートを聴きに、銀座のネクサス・ホールへ。
プロフェッショナルのステージ、という印象でした。最初から、せっかく足を運んでくれたお客様に喜んでいただきたい、という強い意志が伝わってまいりまして、思いだけではなく、実際に工夫が随所に。場所柄、お行儀の良過ぎる観客が多く、ノリがいいとはいえない雰囲気も、最後は奏者と観客が一体となって盛り上がり、まさに彼女の思惑どおりに。まず、飽きさせない変化のあるプログラム、楽器、楽曲、ノルウェーなどを紹介するトークの巧みさ、舞台から下りて観客の間を回っての演奏、そして観客の反応を見ての臨機応変な対応。見事です。
編成は、山瀬理桜さんを含む3人のハルダンゲルヴァイオリンン奏者とピアニスト。プログラムはノルウェーを代表する作曲家、グリーグの作品を中心に、ノルウェーの子守唄、デニーク作曲『ひばり』、日本古謡『さくらさくら』、『ゴールデン・オーロラ』などのオリジナル曲、と盛りだくさん。山瀬さんは、宮崎駿監督の短編アニメーション『水グモもんもん』の作曲、演奏を担当。また、スタジオジブリの『ゲド戦記』も演奏で参加したとのことで、これらの曲も演奏。
ハルダンゲル ヴァイオリンとピアノによる演奏だけでも素敵だったのですが、ヴァイオリニストの一人、山瀬さんの姪にあたる、山瀬クリスティーナ静佳さんの歌声がまた素晴らしくて。まだ16歳なのだそうですが、上手というのとも違う、耳にしているだけで心が清らかになっていくような気がする、何か特別な力を持った声であるように感じられました。
さて、今日初めてその音色を耳にいたしましたハルダンゲル ヴァイオリン。現地ではハーディングフェーレと呼ばれてるというこの楽器。バイキング達の船首の守り神のように、棹の先にはドラゴンの首、楽器全体に真珠母貝よる象嵌細工の繊細な装飾が施され、楽器自体が芸術的ともいえる美しさ。また、ヴァイオリンは弦が4本なのですが、この楽器は更にその下に4〜5本の共鳴弦があり、哀愁を帯びた不思議な音色を奏でます。
その音色と、美しい楽器にご興味がおありの方はこちらのサイトを。※注:音が出ます!
山瀬理桜オフィシャルウェブサイト | 北欧音楽・スカンジナビアンクラシック