悪戯



婿と娘が一泊二日で九州出張の為、孫をお泊りで預かることに。朝8時半に娘の家へ。孫も風邪で薬を飲んでいるので保育園には預けることができず、私も調子が悪いので、孫と二人で1日家で静かに過ごす、つもりだったのですが。
婿たちがでかけて、まず朝食。ミートソース、ご飯、カボチャの煮物、バナナ、ヨーグルトなどを食べる食べる。満腹になったところで、孫は悪戯開始。まずは、食品が入っている棚から、おせんべいや、お茶やお菓子や、ありとあらゆるものを取り出して床に撒き散らします。まあ、このくらいは子供ですものあたりまえでしょう。好きにしてよろしい。
次いで私の携帯。最近芸が細かくなり、カチッと携帯を開くと耳にあて、「おー、おーおー、あはは、あははは。おーおー」、と会話の中に笑いが入るように。しかも、電源が入っていないと楽しくないようで、電源が入っている時にだけ、携帯ごっこを。でも、電源を入れておくと色々な人にかけてしまうので、電源を切るのですが、そうすると今度は誰とも連絡が取れなくなってしまうので、こっそり電源を入れると、動物的な勘でも働くのか、すかさず携帯を手に「おー、あはは、あはは」。で、またすぐ着信履歴からかけてしまうので、電源を切る。しかも、その電源の切れた携帯を、例えば使っていない鍋の中、クローゼットの奥の紙袋の中、などに上手に隠してくれたりするものですから、着信音も鳴りませんし、探しようがなく途方にくれることしばしば。
次いで、部屋にかけたばかりの掃除機のホースを外してほしいと言うので取り外すと、押したりまたがったりして自動車ごっこ。これはちょうどいいわ、と片付けなどをしておりますと、本棚から楽譜をばさばさと出しております。「だめよー」、と言いながらも、まあこのぐらいは後でしまえばいいわ、と目を離すと、今度は玄関で下駄箱から、靴を一つ残らず出しております。「だめよー」と言いながらも、まあ、これも後でしまえばいいわ、と洗濯を干しにベランダにちょこっと出て、戻って玄関を見るとおりません。うわ、どこへ?!「K!K!」と声をかけても家の中はしーん。耳をすますと、かさっという音。音のした方へまいりますと、普段娘から絶対に開けてはいけないといわれている、会社の大事な判子や、クリップ、ホチキス、などの口に入れては危ないものが入っている棚を開けて物色中。「ここは危ないからダメでしょ!」と叱り、手にしていたクリップの入っていたロシア製の木の容器を取り上げ、元の位置に収め、棚の扉をしめ、取っ手をゴムでぐるぐる巻きにして開かないようにすると怒る怒る。「ダメなものはダメ!」、とついでに、楽譜を本棚に、靴を靴箱に戻し。
「おーおー、あはは」という声に振り返りますと、今度は食器棚からアレッシィのチーズおろし器を取り出し、携帯電話ごっこ。耳が削れてしまわない?目が合うと、「おばあちゃまも電話に出て」、と手渡しますので、「はい、もしもし。うんうん。あはは。」と暫くチーズおろしで携帯ごっこにおつきあい。
洗い物をしておりますと、洗面所からなにやらずるずるさせながら戻ってまいりまして、見るとドライヤーのコンセント部分を手に、犬を散歩させるようにドライヤーを引っぱって歩いております。まあ、この程度のことでドライヤーが壊れることもなかろう、と好きにさせておくことに。これはずいぶん気に入ったようで、かなり長い時間ずるずる引きずって家の中を歩き回っておりましたので油断をしてベランダで洗濯を干して室内に戻ると、トイレでザザーっと水を流す音が。え!っと慌ててかけつけますと、ドライヤーを片手にトイレの水を流してみたよう。「K、水は無駄にしちゃダメなのよー。はい、こっちにいらっしゃい」と声をかけつつも、フタはしまっておりますし、頭から落ちて溺れでもしない限り、まあいいかしら、と、キッチンに戻って片付けを。もう一息洗濯が残っておりましたので、干して戻ると室内が変に静か。怪しいです。トイレに駆け込むと、トイレットペーパーをがらがらと全部引っ張り出しているところ。「それはダメ!」、とやめさせ、トイレットペーパーを撒き戻しますとどうやら先端は便器の中へ繋がっているよう。フタをあけると、1メートル分ほどは便器の中へ。「トイレットペーパーは無駄にしちゃダメ。大事大事なのよ」、と言ってきかせ、便器に入ってしまった分は流し、床に置いてあったドライヤーを手にいたしますと、なんとびしゃびしゃに濡れております。どうやら、ドライヤーをトイレで流そうとチャレンジしたよう。いつの間に。すぐに動作確認をしたらかえって壊れるであろうと、こちらはそのまま乾燥させることに(翌日、ちゃんと動いたのですが、…)。とここまでで、まだお昼前。
朝、6時50分の起床から、夜、9時半就寝まで、お昼寝時以外、一日中これが続くのです。まあ、彼にとりましては悪戯というよりも、興味、好奇心のままに遊んでいるだけなのでしょうが。娘、偉いわ、よく毎日頑張っているわ。保育園の先生、本当にいつも、ありがとうございます。