必殺のツボは存在するのか



今朝は久々に頭痛のない朝を迎えることができました。良かった。
とはいえ首はまだ回りません。母からは、「あなたのようにストレスに弱くて、更年期障害がひどいタイプは、一時的にでも精神安定剤のようなものを処方してもらうといいかもしれないわね」、とのアドバイスもあったのですが、できることなら薬には頼りたくない。
先日初めて訪れまして、ずいぶん楽になりました鍼灸院で再度診ていただくことに。まず、施術着に着替えベッドの上に仰向けに。左右の手首で脈を診て、不思議なことにそれだけで弱いところが判るとのこと。その脈診の結果に添って、鍼と灸による治療が進められます。
初めての鍼は、「もう、鍼は刺さっているんですか?」と訊いてしまったほど、痛みはなし。とんとん、とされているのかと思っておりましたが、この時、細い筒の中に入った、目に見えないほど細い細い針の先端を打っているとのこと。鍼灸自体は中国から伝わったものなのだそうですが、この打ち方は日本独特。なんでもその昔、鍼が苦手だった盲目の鍼灸師が、江ノ島神社を詣でた折、手に触れた竹と松葉からヒントを得て習得した技が元になっているとか。
足、顔、首などへの鍼治療と平行して、お腹の上ではもくもくと煙が上がりお灸が。こちらも塩の上に載せているとのことで熱さはなく心地よい暖かさ。お灸というのは、ヨモギの葉の裏にある毛の部分だけを集めたもので、もぐさ(艾)というものを燃やしているのだとか。そういえば、昔、とっても可愛がってくれていた母方の祖父が自分で自分にお灸をする姿を、「おじいちゃま凄い」、と恐々見ていたものでした。
前面が終わりますと、今度はうつ伏せになり、背中、首などへの鍼と灸。時々ちくっとする程度で痛みはほとんど感じないのですが、さすがに首に打つ時にはちょっと怖く、「あの…、必殺仕事人だったか仕掛人だったかで、必殺のツボに針をぶすっていうのあるじゃないですか。本当にそういうツボってあるんですか?」と質問。「あ、藤枝梅按とかですか?あります。ありますが、前もって頭蓋骨にドリルで穴でも開けておかない限り、梅按のようにすっとそこのツボに打つことはできません。頭蓋骨はヘルメット状なので、首筋から刺すとしても、もの凄く長い針を使わないと届きません。」とのこと。なるほど。
そうこうするうちに治療は修了。続く患者さんが隣の治療室へ。カーテン越しに聞こえてまいりましたのは、同年代のマダムと思しき女性の声。先生の「如何ですか?」という問いかけに、「お陰さまで、ものすごーく楽になりましたぁ。もう、やっぱり二週間に一度は先生のところに来なくちゃダメだわ、って主人とも話していたんですうぅ、うふふ」、と。きゃあ。効果があるのは嬉しいですが、そんな体になってしまったらどうしましょう。しっかりお仕事をして、鍼灸代を稼がなくちゃ。