風鈴、絵付け



鳥獣戯画の模写に挑戦!」、「浮世絵、摺ってみませんか?」、と立て続けに抽選に外れましたサントリー美術館のエデュケーション・プログラム。
また外れちゃうかしら、と思いつつもワークショップ「ガラスの風鈴に、絵付けしてみませんか?」に申し込みましたところ、今回から設けたキャンセル待ち枠に入ったとのお知らせはがきが。一昨日、キャンセルが出ましたと連絡があり、本日、参加してまいりました。講師は篠原まるよし風鈴の篠原正義さん。現在、江戸風鈴を作ることのできる職人は日本に三人しかいないとのこと。
江戸時代、まだ風鈴が作り始められたばかりの頃には、一つ、今の価格にすると200万円もいたしまして、お金持ちの道楽だったとのこと。当時はガラスを吹くのはガラス職人。絵付けは絵付師と分業。顔料が非常に高価であったということもあり、裕福な人しか絵付師になれなかったとのこと。
今は、やはり中国製がたくさん入ってまいりまして、ほおずき市で売られている風鈴はほぼ全てが中国製。ただ、風鈴というのは、形を作るだけならば、3年も修行をすれば同じようなものが作れるようになるそうですが、簡単には真似ができないのが音色。なかなか美しい音色で鳴る風鈴を作れるようにはならないのだそうです。中国も人件費が高くなってきたので、これからはベトナム製の風鈴がどんどん日本に入ってくるようになるのでは、とはご主人のお話。でもそれはそれでいいのだそうです。そうですね、音色の違いがわかる方は、ちゃんと『江戸風鈴』を選ぶのでしょうし。
今日のワークショップは「絵付け」ですので、風鈴は篠原さんが一つ一つ作ってくださったもの。深みがありながらも澄んだ、なんとも美しい音色。流石、です。風鈴の絵付けというのは、風雨に晒されても剥がれてしまわぬよう、内側から書くとのこと。底に空いた穴から筆を差し込み描いていく。これが大変難しいのです。ちりんちりん、と鳴るよう、下部に開いた口の縁はぎざぎざになってなっておりまして、手を切らないように注意もしなくてはいけません。
参加するまでは、絵柄はサンプルがあり、その通りに描けばいいのであろうと思っておりましたが、そうではなく自由に描いてくださいとのこと。何も考えておりませんでした、どうしましょう。篠原さんが見本として持ってきてくださった金魚やトンボなどはとても難しくて描けそうにもありません。何か参考になるものはないかと見回し、ちょうど今日着ておりましたブラウスの、花の刺繍をモチーフにすることに。同じテーブルの方々とほとんど語らう余裕もなく、1時間半ほどかけて完成いたしましたのが画像の風鈴。初めてにしては上出来、と自画自賛
ワークショップの最後にございました篠原さんからの注意。「上手に絵付けができて、嬉しくてみんなに見せているうちに、落として割ってしまう人が案外多いんです。大事に持ち帰り、ちゃんと吊るすまで、気を抜かないでください」、とのこと。はい、注意をいたしまして無事に持ち帰りました。さて、どこに吊るしてあげましょうか。
楽しい経験、でございました。