音楽に満ちた日々



一昨昨日は室内楽のリハーサル立会いのため、上野の芸大へ。室内楽と申しますと、メンバー全員で何度もリハーサルを重ねて本番を迎える、という印象があるかと思いますが、実際はそうでもありません。皆さんお忙しいプロの方々ですので、リハーサルは2、3回というのはよくあること。中には合わせは当日のGPのみという、ほとんどぶっつけ本番に近い演奏会というのもあるのです。この日は本番直前とはいえ、2回目のリハーサル。地方から飛んで戻ったメンバー、他の本番の合間を縫って駆けつけたメンバーによる合わせ。まだそれぞれ弾けていないところなどいっぱいあるのですが、プロというのは、リハはへろへろでもいつでも本番はばっちり。心配はいらないのです。大きいとはいえないレッスン室で、体まで振動する弦楽器の響きにうっとり。チェリストさんからは北海道土産にマルセイバターサンドをいただき、さらに幸せな気分に。
昨日は、譜めくりの女、を。映画『譜めくりの女』では、譜めくりは復讐の手段として使われるようですが、私は今回依頼の奏者さんとはよいお付き合いをさせていただいておりますので、絶対に足を引っぱることがないようにと曲ごとに、「繰り返しあり」、「2番括弧注意」、「P.13早く立ち過ぎない」、「P.56早めに立つ」、などと書いたメモをチェックしてから舞台へ。もう譜めくりを務めますのもこれで三回目の奏者ですのでクセなどは掴んでいるのですが、やはりどうしても緊張するもの。リハーサルでは譜めくりのミスが何ヶ所かあったのですが、集中力で本番は0。演奏も、流石プロ、という素晴らしい内容。よいコンサートでした。ただ、出演者の知人から、「譜めくりの女性の姿勢がとてもきれいでした。あれはどなたですか?」との質問があったとのこと。姿勢をお褒めいただいたのはありがたいことなのですが、舞台上で気配を消せなかったことは失敗。
今日は赤坂サカスのオープニングイベントの1つ、葉加瀬太郎ライブ、『星に願いを』へ。Sacas広場に作られた特設ステージでのライブ。途中、ニュースの生放送が入ったりもいたしましたので、テレビでご覧になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。ヴァイオリニストの葉加瀬太郎さん。ピアニスト1の学生の頃からの友人で、以前からテレビなどではその演奏を聴いたことがあるのですが、特に好きなアーティストということもありませんでした。が、今日、生でその演奏を聴き、印象が大きく変わりました。プロ、ですね。演奏で、トークで、観客を惹きつける力がとてもあり、見事。プログラムは、「エトピリカ」、「情熱大陸」、「リベルタンゴ」、「チャルダッシュ」、「星に願いを」などなど。どれも聴かせるわ、という素晴らしい演奏でした。
先週の元ちとせさんもそうでしたが、ミッドタウンやサカスができたおかげで、無料でこのようなライブを楽しむ機会が増え、やっぱり東京っていいわあ、と。