『ガレとジャポニスム』



昨日よりサントリー美術館で開催の、『ガレとジャポニスム』を見てまいりました。フランス、アール・ヌーヴォー期を代表する芸術家エミール・ガレの作品、ガラス、陶器、そして家具などを140点展示。様々な形での日本美術との結びつき、“ジャポニスムの変遷”を目で追うことができます。
初めは、北斎の絵の模写ともいえるようなモティーフの転用から、次第に日本人が持つ「触れて愛でる」という感覚的な部分の応用へ。そして、自然、動植物の生命力、美しさを愛し、またそれらの消えゆく儚さを想う、といった日本人の精神を着想の原点とし、それが作品に反映されていく。日本人としてちょっぴり誇らしい気分になってしまう、展示です。
さて、サントリー美術館は、照明、ケース、配置など、展示方法がいつも素晴らしいのですが、今回はまた一際見事。会場に足を踏み入れますと、その暗さに目が慣れていないこともあり、まるで作品が闇の中に浮かんでいるかのよう。黒い紗織りの布が所々に効果的に下げられ、これまでとはまた違った空間を楽しむことができます。ガレがお好きな方も、そうでもない方も、是非一度。
「ひとよ茸」のランプなど、今宵、夢に出てきそう。