歯痛にグールド



一昨日、おいなりさんを食べておりましたらガリッ。ミラノにまいります前に応急処置をした奥歯の被せ物が遂に取れてしまいました。前回は塩ウニで炊きたてご飯を食べている時。案外、硬いものや、歯にくっつきやすいものを食べているのではない時に取れるものなのですね。すぐに歯医者さんに電話。予約が一番早く取れるのが火曜日とのことですので、それまでは何かを食べていても、食べていなくても、なんとなく口の中が落ち着きません。
そんな状況の中、先ほど、ピアニスト1が以前よりお世話になっております、クラシック音楽ライターの山尾敦史さんのブログドメインパーキングを拝見いたしましたところ、山尾さんも奥歯の銀が取れてしまったとのこと。あら、奇遇ですこと。で、歯が痛い時に聴くクラシックは何がいいのか…というお話を。山尾さんお薦めの、グレン・グールドJ.S.バッハ、「フーガの技法」を聴いてみましたところ、確かに、このグールドの演奏は奥歯に優しいように。静寂と安定。微かに聞こえるハミング、思わず見入ってしまうその演奏姿。お陰様で、暫し奥歯の疼きを忘れることができました。
グールドといえば、学生の頃、試験の課題曲であるモーツァルトソナタ12番、K.332の三楽章がどうしても思うように仕上がらずピーンチ!という時に、彼のタカタカタカタカタカタカ…というはっきり聞こえるハミング付きの演奏をCDで聴き、真似をしてたタカタカ言いながら弾いてみましたところ、これが大変うまくまいりまして、試験もばっちり。ファンであると共に、心の恩人でもあるのです。