ギャラリートーク



午後、仕事中に1時間休憩を取り、サントリー美術館のメンバーズ向けギャラリートークへ。開始時間より20分ほど遅れての参加。約1時間の予定とのことでしたので、残り40分ほどを最後まで聞いて戻るつもりでしたが、予定が延びて終了時間を15分過ぎましてもまだ学芸員さんのお話は続いておりまして。名残惜しかったのですが、途中で帰社。
ギャラリートークに参加するのは初めてでしたが、作品紹介には書かれておりませんお話や、美術館の建物についての興味深い話も聞くことができて楽しいもの。専門的な解説はもちろん、見落としがちな作品の見所や、その美術館ならではの工夫、他の美術館との比較、に上品な冗談を織り交ぜながらのお話。なるほど、ギャラリートークというのはこのようなものなのですね。
遅れて参加し、途中で出てしまいましたので、ほんの少しですが、印象に残りましたお話を。ヨーロッパの美術品というのは、上からの明かりで美しく見えるように考えられているが、日本のものは障子越しに横から差し込む日の光、畳に反射した柔らかい下からの光を受けてこそ美しく見えるものが多い。そのため、上からの照明だけではなく、ケースの底部に発光ダイオードを設置して微妙な調整をしているとのこと。現在の展示は、『日本を祝う』、ということで、松竹梅、鶴亀、蝶、宝尽くし、花などおめでたい文様の作品ばかりですが、吉祥文様というのは国によって違い、例えば、欧米では不吉なものとされている蝙蝠は、中国では蝠=福、でとてもおめでたい図柄とされているとのこと。高さ9メートルの吹き抜けに面した壁一面の『無双格子(むそうごうし)』は、ふたつの格子を組み合わせたもので、2枚の板が重なった状態ですと日差しと風景をたっぷり楽しむことができ、スライドさせることによって日光を嫌う作品のために外光を遮断することもできる。ただ、どうしても隙間から光が漏れるので、完全に遮断することを条件に貸し出されるような作品を展示する時には、無双格子を閉め、更に遮光ブラインドを下ろすことによって、完全に光を遮ることもあるとのこと…などなど。
もう少しゆっくりできましたら、『無双格子』の、電動による開閉なども見せていただけたのですが、仕事中でしたので仕方ありません。是非またの機会に。