出られない



東京ミッドタウンには、プレッセという、24時間営業のスーパーマーケットが入っております。
先日のこと、必要なものがあり、9時過ぎに買い物をしておりますと、「…9時30分になりますと***が###となります。」とのアナウンスが。よく聞き取れませんでしたので、レジで係員に「先ほどのアナウンスは何と?」、と内容を確認いたしますと、「はい、9時30分になりますと、こちら側はシャッターが降りてしまって、通れなくなってしまうんですよ。」と。見ると確かに。こちら側…私が帰りたい方向はシャッターが降り、通り抜けることができなくなっております。さて困りました。
「では、こちら側、公園の方に出たい時にはどのようにすれば?」と訊ねますと、わざわざ案内図を持ってきてくださり、「ええとですね、この出口から出てぐるーっと回っていただくか、こちらから出ていただいてぐるーっと回っていただくか、どちらにしてもかなり遠回りになってしまいますね。宜しければ、インフォメーションがございますのでそちらで確認していただければ。」と。「ではそうします」、と戻りたい方向とは逆向きにてくてく歩き、インフォメーションカウンターへ。ところが、こちらも9時で終了。カウンターには人の気配はなく、CLOSEDの札が。日中はたくさんいる警備員さんも見渡す限り一人もおりません。さてさて困りました。
地下一階におりましたので、とりあえずエスカレーターで地上へ。出ましたのは見覚えのない広場のようなところ。帰りたい方向にございます建物に入ると、それはスーパーが入っているのと同じ建物の1階の目的方向寄り。いい感じです。これで地下に降りられれば入ってきた口から出ることができるのですが、エレベーターが止まってしまっていて下がることはできません。でも、この階の奥の右手にも出入り口があり、渡り廊下のような通路で公園側に出ることができたはず。いたるところにロープが張られて通行できなくなっているのですが…あ、開いておりました。ということで無事に脱出。
出口を探しながら思い出しておりましのが、子供の頃に見た、『ピラミッド』という映画。映画の最後、砂と岩を使ったとても複雑な仕掛けにより、ピラミッドが密閉され、ファラオと共に、悪人達も閉じ込められてしまう、というシーンが大好きでした。石室の中の突起を石で割ると、砂がさーっと流れ出し石壁が動きだし、陰謀を企み、地位も財産も奪ったつもりでいた悪い后でしたか愛人でしたかが、自分の置かれた状況に気付き、顔を引き攣らせる。ただ建物から出るのに手こずっただけですのに、思わぬ古い記憶が鮮やかに蘇り、自分でもびっくり。