贅沢おじ様2



築地で美味しいお寿司をご馳走になりまして、新橋の、おじ様行きつけのバーに連れて行っていただきまして、「タクシーで帰りなさい」、とお札を握り締めさせられて、先ほど帰宅。そのさりげなさが、いかにも銀座で遊びなれたおじ様の振る舞い、という印象。ちょっぴり、銀座のクラブで働く女性になったような気分を味わうことのできる楽しい瞬間です。これが、それこそ本当のお水商売の男女の駆け引きだったりいたしましたら、色々と考えなくてはいけないのでしょうが、「父の親友」ということで、まったく心配なく、(ちゃっかり)贅沢な思いだけさせていただけるのが、幸せ。
あれはまだ私が大学生の頃のこと。その頃は埼玉に住んでいたのですが、やはり贅沢おじ様にご馳走をしていただき、銀座のクラブに連れて行っていただき、「遅くなったからタクシーで帰りなさい」、と確か3万円手渡されまして、「ええっ?!」と放心状態でタクシーに乗り込み、高速をぶんぶん走って帰宅したことがございました。母に話しましたところ、「銀座からタクシーで帰ってきたの?まあ、もったいない。新橋あたりでタクシーを降りて、電車で帰ってくればお小遣いにできたのに」、と言われたことがございましたっけ。(この母にしてこの娘、のちゃっかりぶりです。)
帰り際に、「まだ飲んでないから美味しいかどうかわからいけど」、と手渡されましたのが、ドイツの赤ワイン。なんでも、先日ドイツから届いたコンテナの中に十数本、「プレゼント」として入れられておりまして税関で大騒ぎになり、たくさんの書類を提出し、たくさんの税金を払い、ようやく受け取ったばかりのワインとのこと。「もう2、3日早く電話くれたら、神戸のトアロードのレバーペーストやソーセージもいっぱいあったのに。ちょうどみんなに配っちゃったところでさ」、とも。うぅん、やはり贅沢おじ様には時々電話をしてみなくては。