素晴らしい…



クバシュタの仕掛け絵本、残り9冊も手元に届きました。特に『TIPとTOP』シリーズの美しさといったら。
実は、児童文学の権威でもいらっしゃる、ドイツのgさんの調査結果によりますと、クバシュタの作品の評価というのは専門家の間では低いのだそうです。「まず紙の質が悪い。そしてイラストがよくない。」
いやあ、専門家も見る目がないなあ、と思います。確かに、昔のチェコで作られた本達ですから、紙の質はよくありません。でも、その紙で、せいいっぱいきれいな色を出そうとすればこそ、の深みがあるのです。同じクバシュタの作品でも、近年、再版されたものは、紙質がよ過ぎて味わいが足りません。ISBNの表記のない時代の本にこそ、彼の作品のよさが出ているのです。今、『TIPとTOP』を見ながら、このイラストの美しさ、構図の素晴らしさをもってして、「イラストがよくない」、という評価を下す、児童文学者の美意識を疑っちゃうな、と。天才、と呼ばれる奏者の演奏を聴いた時と同じ、身体と心の反応、血流の変化を感じますもの。私の中では、クバシュタは、天才。