奈良ホテル



宿泊いたしましたのは奈良ホテル。知人には、「食事が美味しくないホテルとして有名ですよ」、とのアドバイスをいただいたのですが、やはり奈良にお泊りするのでしたらこちらかしらと。

静かで落ち着ける、素敵なホテルでした。赤い絨毯、磨きこまれた木の手摺、シャンデリア、軋む床、ホテルマンのきびきびとした対応。クラシックホテルというのは、こうでなくては、という姿がそこには。

庭に面したお部屋だったのですが、窓を大きく開け、しみじみと古都の秋に見入っておりましたら、突然がさっという音と黒い影。猫?と思いましたら、いえ、もっと大きなもの、そう、目の前に現れましたのは、鹿。

バーでいただきました、奈良ホテルオリジナルカクテル、「万葉の秋」。画像は、すでに三口ほど飲んでしまった姿。大変美味ではございましたが、一つ心残りが。このカクテル、紅葉を模ったゼリーが二枚底に沈んでおりまして。それがグラスの底の部分に蓋をするような形でくっついてしまい、そのゼリーと、その下に取り残されたカクテル一口をいただくことができなかったのです。2回、グラスを思い切り傾けてチャレンジしたのですけどだめ。老舗ホテルのバーで、これ以上はあまりにお行儀が悪かろう、と諦めました。お酒飲みといたしましては、美味しいお酒は最後の一滴まで、いただきたいものなのです。