蕎林(きょうりん)



帰りは、仙石原で見渡す限りのススキの原を眺めつつ、御殿場側へ抜けて東京へ戻ることに。途中、ちょうどお腹もすいてまいりましたので、どこかで昼食を、ときょろきょろしつつ走っておりますと、目につきましたのが、「手打ちそば 蕎林」の看板。道の反対側でしたので、Uターンをしてその看板のある場所まで戻ると、お店へ通じると思われる細い細い林の中の道へ、なんと5頭ほどの馬が入っていくではありませんか。馬に乗って、お蕎麦を食べに?素敵。後ろについてそのわき道に入りますと、馬上の方々が振り返り、車の確認すると馬を急がせ林の奥へ。あ、そんなに慌てずとも。これでは、まるで追いかけているようではありませんか。走り去る馬達を目で追いつつ、思わず脳内BGMはローレンローレン…。ローハイド。
さて、柵をこすってしまいそうなほどの狭い道をようよう抜けますと、そこにあるのは普通の民家のようなお蕎麦屋さん。お馬さんたちは、庭の奥に繋がれております。辿り着くのが難しいお店ですのに、店内にはたくさんのお客様。運転手ですので、お酒がいただけないのが、まったくもって残念至極、ではございましたが、てんぷらのように揚げてある珍しい鴨つくねも、ちくわも美味。光が染まっているように感じるほどの緑に包まれていただくお蕎麦は、たいへん結構なお味でございました。
食事を終えて外に出ますと、先ほどのお馬さん達は、さりげなく草など食みつつ、静かに静かに待っておりました。なんておりこうさん。