「よく耐えて下さった…」



ご招待いただきまして、松本和将さんという岡山、倉敷出身のピアニストのリサイタルを聴いてまいりました。曲目を確認せずにまいりましたので、会場で手渡されたプログラムを見てびっくり。サブタイトルは「ベートーヴェン3大ピアノ・ソナタ&ハンマークラヴィーア」。「悲愴」、「月光」、「熱情」、この三大ソナタだけでも一夜のプログラムとして十分ですのに、ここまでで前半。休憩を挟み、なんと後半には長大なソナタ「ハンマークラヴィーア」まで弾いてしまうと。
覚悟して臨みましたが…曲数だけではなく、立派な演奏で聴きごたえたっぷり。いやはや、よく最後まで弾ききられました。その体力と筋力と精神力に拍手。ご本人も、全プログラムを演奏をし終えてのご挨拶で、「何よりもまず皆様、よく耐えてくださったと。もちろん弾くのは大変なプログラムでしたが、聴くほうもまた大変なプログラムで…」とご挨拶。会場からは思わず笑い声が。確かに、奏者、観客、双方にとって「ある種の苦行のような」演奏会でございましたね。