倶楽部:今宵、銀河を杯にして    『くどき上手』



日本酒の在庫がなくなりましたので、近くの志の高い酒屋さんへ。「2000円ぐらいで、香りのよいお酒はありますか?」と訊ねるとご主人、いかにも難しいという表情で「2000円じゃあ無理だなあ」と。「ではもう少しお高くても」、ということで薦められましたのが、純米吟醸、くどき上手、3000円ほど。
今、いただいてみておりますが、やや甘口ながら香りよく柔らかい印象。女性に好まれそうな飲みやすいお酒です。口あたりがよく、いくらでもするすると飲めてしまいそう。このお酒を飲みつつくどくのか、それとも飲ませた相手にくどかれるのか…等とあれこれ想像、妄想、しておりますが、なんにいたしましても一人でこうちびちび飲みますには少々色気のあり過ぎるネーミングのお酒でしてね。
さて、この酒屋さん、品揃えはいいのですが、ご主人の愛想が悪いのです。(顔色も悪いのですが。飲みすぎでしょうか。)それが不思議と感じは悪くないのですけど。絶対に笑わない。今までに笑っているのを見たことがない。このご主人を、できることなら一度笑わせてみたい。娘にこの話をいたしましたら「それは何かねたを仕込んで行かなきゃ」と。うぅん、酒屋の主人を笑わせるねた。難しゅうございます。