オルガンこだわり隊



先週末にサントリーホールで開催されました、サントリーホール パイプオルガンレクチャーコンサートシリーズ 小ホール特別講座。テーマは「オルガンとコンサートホールの文化論」、お話は音楽評論家の丹羽正明氏。前半はオルガンの仕組み、歴史、など主に堅いお話。目を閉じてはいるが聞いている、という事をアピールするために、たまにメモなど取ってみる、学生の頃を思い出す受講スタイルでなんとか乗り切り。
後半は日本のパイプオルガン事情。日本橋三越や築地の本願寺のパイプオルガンから、サントリーホール、池袋芸術劇場、NHKホールなどの立派で大きなオルガンまで。どのメーカーのものが、どのような経緯で設置されたかなど、興味深いお話がいっぱいで、目もぱっちり。
パイプオルガンというのはとても高価なお買い物。浜松では、誤って警備員さんがスプリンクラーを作動させてしまった為、3億5千万もいたしましたパイプオルガンが台無しになってしまったとか。(浜松在住、susieちゃん情報によりますと、保険がおりて入れなおす事ができたとのことです。)サントリーホールなど、消防署の許可を得て、パイプオルガンの上部はスプリンクラーを設置していないホールも多いとのこと。
パイプオルガンのパイプは錫、亜鉛、銅で作られており、錫の割合が多いほど高価。やや柔らかい金属が使用されるため、長く横たえておくと円から楕円に変形してしまうことがある。という事で、あるホールでは大事をとり、運送料は高くなるが船ではなく飛行機で運ぶことに。無事、日本に届きさあ飛行機から下ろそうとしたところで、なんとフォークリフトがパイプに刺さってしまい大穴が。もう、少し歪みがでるどころの騒ぎではございませんで。なんとか補修いたしまして傷の部分を見えないように裏にして設置したとのお話。またあるパイプオルガンは、船から荷降ろしの際に誤って海に落としてしまい、もうそのオルガンはは諦めるしかなかったとか。
無事設置されたオルガンも宝の持ち腐れになってしまっている物がたくさんあるよう。丹羽さんは「やはりホールにはパイプオルガンがないと恥ずかしいですから」とパイプオルガン推進派でいらっしゃるようですが、果たして日本に、高価なパイプオルガンがそんなにたくさん必要なのかしら?という疑問も残る、お勉強会でございました。



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