Rachmaninoff: 18th Variation from Paganini Rhapsody



今夜は突然「ラフマニノフパガニーニの主題による狂詩曲」が聴きたくなり、これでもう…くり返して聴くこと6回目。ラプソディー、狂詩曲とは申しましても、ピアノと管弦楽のための変奏曲。ラフマニノフが、超絶技巧と引き換えに悪魔に魂を売ったとされるパガニーニの伝説に発想を得て作曲したといわれ、第7変奏でピアノによって演奏される、グレゴリオ聖歌『レクイエム』の「怒りの日/ディエス・イレ/Dies irae」のテーマが、その悪魔を示しているそうな。
華やかで技巧的な、いかにもラフマニノフらしい曲なのですが、何と申しましてもいつもうっとりと聞き惚れてしまうのは第18変奏、Andante cantabile 。パガニーニのテーマを逆さにひっくり返したとはとても思えない、この上なくロマンティックなメロディー。期待せずに見て大泣きいたしました映画「ある日どこかで」の中で、たいへん効果的に使われておりまして、この変奏を聴きますとあの映画の美しいシーンが目に浮かびます。