贅沢な居眠り



本日はサントリーホールにて、野平一郎さんのサントリー音楽賞受賞記念コンサート♯3〜室内オーケストラの夕べ〜を聴いてまいりました。プログラムは野平一郎:金管と鍵盤打楽器のための『織られた時』、野平一郎:種々の楽器グループによる『バッハ/フーガの技法』、そしてリゲティ:ピアノ協奏曲。野平さんの才能と、ジャパン・チェンバー・オーケストラの達者な演奏に満席の会場からは惜しみのない大きな拍手が送られておりました。ただ、『バッハ/フーガの技法』はたいへん美しい曲ではあるのですが、あまりに心地よ過ぎたのか、見回した半数以上の方が眠っていたような。
この演奏中の居眠りにも上手下手がございまして。一番よくないのはいびき、そして大きく船を漕いでしまう眠り。突然体がビクッとするのも周りは気になってしまうので×。慣れている方ですと、目こそ閉じているもののまるで音楽に酔いしれているかのように静かに背筋を伸ばしたまま睡眠。途中、ふと目が覚めると何かに納得したかのように頷いてみせたりして、芸が細かいこと。そして、演奏が終わると例え熟睡をしていても絶妙のタイミングで拍手。今日もこのような、コンサート居眠りのプロと思しき方々を多数お見かけいたしました。
私の今までで一番贅沢な居眠りは、東京文化会館でケンプのリサイタルを聴きながら、です。